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出版までのあれこれ

8月4日に「歯周病の新常識」、「歯科治療の新常識」という2冊の本を阿部出版から出版しました。
その辺りの事情について少し記しておこうと思います。


そもそもの始まり

歯周病の新常識

昨年の6月中旬に阿部出版の編集の方から連絡があり、一般の人向けの歯科の本を書いてみないかという話をいただきました。

医歯薬出版から患者さん向けの書籍を出版したのが7年前の夏で、それからかなりの時間が経過しています。

歯科医療を取り巻く環境もずいぶんと様変わりして、私自身の考え方や臨床にも多少の変化がありました。

このあたりで自分の歯科医療に関してまとめておくのも悪くないと思い、その話を引き受けることにしました。

 

書きたいことが偏る

歯科治療の新常識

7月の初めくらいから、片山式の歯周病治療を中心に硬組織の治療をからめて話を書きはじめました。

片山式の歯周治療の話はあちらこちらに書いた話なので筆が進まず、今まであまり書いたことのない「歯をなるべく削らない」や「過剰な歯科治療」に関する原稿ばかりがどんどん増えていきました。

考えてみれば、最近来院する患者さんは「過剰な歯科治療」で歯を削られ過ぎたり、抜かなくても良い歯を抜かれてしまうという患者さんが多くなっていて、重度歯周病の人がめっきり減っていました。そこで、自分自身の問題意識もそちらの方に傾いていたのだろうと思います。

 

不完全燃焼のまま出版?

「歯周病はうつらない」とか「削らない、抜かない」という自分が今興味を持っている話ばかり原稿の枚数が増えて、歯周病の基本的なところや片山式歯周病治療に関してはなかなか書くことができないでいました。困ったなあと呻吟しながら、期待していた夏休みも時間だけが過ぎ去ってしまいました。
出版の予定は今年の1月末くらいということだったので、夏にはまだ余裕を持っていたのですが、秋口になって体調を崩してしまい、原稿を書くことができなくなってしまいました。
ようやく、机に向かうことができるようになったのは年の瀬も押し迫ったころで、正月休みに多少頑張ってはみたもののかなり不完全燃焼気味のものしかできませんでした。
しかし、締め切りは容赦なく迫って来ます。内容に大きな不満を残したまま、形だけを整えて出版社に届けることになってしまいました。

 

2冊同時出版

2月になって、編集者の方がまとまらない内容を何とか形にしてくださって、もう少しで出版というところにこぎつけました。
しかし、そこで思わぬ展開が待ち受けていたのです。
最終の原稿を読んだ上司から、歯周病の話と歯科治療ろいう2系統の話が入り混じっているから、いっそのこと2冊同時出版してはどうかという話があったのです。
書きたいことが書ききれていないと感じて、体調もすっかり戻っていた私にとっては渡りに船の提案でした。

まとまってきた

2冊ということになると、さらに余分に原稿を書かなければならないわけですが、締め切りが延びてできた時間は私にとってはそれにも増して有難い贈り物でした。
なんとなく頭の中でモヤモヤしていたことが、歯周病と歯科治療の二つに分けることで、すっきりするような気がしたからです。

「片山式歯周治療」と「リンデ臨床歯周病学の第6版の病因論」と「マイクロバイオーム」が関係していることは何となく感じていました。
しかし、文章に表せるほど自分の頭の中はまとまっていませんでした。
そのようなときに、不明な点を調べる時間ができたわけで、それらの事項と片山式歯周病治療とが明確につながって、「歯周病の新常識」がまとまっていきました。

また「歯科治療の新常識」では、それまでほんの一項目に過ぎなかった「咬合性外傷」や「歯科医原病」について説明したいことに対するスペースも十分にできて、最終的な形が出来上がったわけです。

付け焼刃

と、ずいぶん偉そうに書きましたがいくら時間ができたと言っても、実際は大慌ててで文献に目を通しただけで、かなり”付け焼刃”の部分が多いことは否定できません。
特に、マイクロバイオームや医原病に関しては、時間をもらえたといっても、うなぎ屋の店先から漂ってくる匂いを嗅いでかば焼きについて論じているようなところがあるので、「分かっているの?」と言われるとあまり自信はありません。
独りよがりで誤りや暴走気味のところも多々ある本だと思います。
このブログを通じて訂正、補足、お詫びをしていこうと考えています。
お気づきのことがああったら教えてください。よろしくお願いします。


歯周病の新常識
小西昭彦
阿部出版
歯科治療の新常識
小西昭彦
阿部出版

小西歯科医院のホームページ

 

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