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インプラント難民を憂う

 

 

インプラント難民

インプラント難民が増えています。

インプラント難民とはインプラントを入れたものの具合が悪くて、埋入してくれた歯科医院に行っても満足な対応をしてもらえず、インプラントの不具合をかかえながらあちらこちらの歯科医院を訪ねなければならなくなっている人たちを指します。

その歯科医院へ行けば、次々とインプラントをいれられてしまうので、もうこれ以上インプラントは入れたくない、とその歯科医院から逃げ出したが、その後の面倒をみてくれる歯科医院が見つからない、そのような患者さんもインプラント難民ということになります。

インプラントではあまりうまく噛めないので、残っている自分の歯で噛んでいるうちに、それらの残存歯が咬合性外傷や歯周病でダメになってしまい「抜歯してインプラントにしましょう」と言われてしまうケースです。

インプラントを入れた歯科医は「抜いてインプラント」と簡単に言いますが、患者さんにすればまたあの大変な思いをしなければならないのか、お金もたくさんかかってしまう、とガックリして抜かずに何とかならないだろうかと違う歯科医院を探すわけです。

しかし、なかなか都合の良い歯科医院はみつからず、インプラント難民となってしまうわけです。

 

生態系を破壊するインプラント

アメリカザリガニやブラックバスが日本の生態系を破壊してしまったように、インプラントは顎口腔系という生態系を破壊してしまう恐ろしい存在です。

繁殖力の旺盛な外来種の駆除が困難を極めるのと同様に、一度、インプラントによって破壊された口の中を元通り回復することはほとんど不可能です。

つまり、インプラントの入った口の管理は私どもの診療室をはじめ一般の歯科医には手に負えないわけです。

専門家ならトラブルシューティングができるのかというと、それもどうも難しいようです。

したがって、他の歯科医が埋入したインプラントのトラブルを引き受けてくれる歯科医はほとんどいなくなってしまうわけで、結果的にインプラント難民となってしまうわけです。

 

インプラント難民にならないために

インプラント難民にならないためには、インプラントを埋入する前に担当医と十分話し合い、インプラント難民にならないと確証を得てから埋入するようにしることだと思います。

インプラントの提案を受けたときは、『インプラント難民』という用語を頭に思い浮かべてください。

一本のインプラントが口の一生を破壊しかねないのです。

 

インプラント難民にならないためにはインプラントを入れないことだと私は思います。

 

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